コミケットトレイン26号の決行について

拝啓
残炎の候、時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。
本年もコミケットトレインへは皆様から格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
さて、8月に入りましてコミケ直前になってしまいましたが、ようやくコミケットトレイン26号の
正式運行が決まりましたので、お知らせ致します。様々な情報が錯綜する中で、種々の制約に縛ら
れていたとはいえ、実行委員会として、鉄道会社や旅行会社から正確な情報を引き出し、一刻も早
く皆さんにお伝えするということが、結果的に適いませんでしたこと、まずはお詫び申し上げます。
今回の件につきましては、いわゆる技術的な諸要因はもちろんあったかもしれません。

しかしながら、この間を通じて当事者として強く認識致しましたのは、既にこのような手弁当のイ
ベント列車を運行するということに対しての難しさとは、技術云々ではなく、人の問題であるとい
うことでした。まず会社組織的にイレギュラーなものは難しくなっているのではないかということ、
さらに何よりも大きな社会的枠組みとして、そのような余裕や許容といったものがいよいよ無くな
ってきているのではないか、ということでした。

過去にもコミトレというものは常に外的要因に左右され続ける、きわめて不安定で脆弱な立場でし
た。今まで何とか波を乗り越えて参りましたが、いよいよ我々の力ではどうしようもないところま
できてしまったのが、今回の混乱の結果であると我々は受け止めております。つまり、既にお知ら
せ致しましたように、本年でコミケットトレインの運行は限界を迎えており、やはりこれで最後に
せざるを得ないということであります。

皆様には長年の御支援に感謝いたしますとともに、残された僅かな時間ではありますが皆様には最
後の御協力、御参加を賜りたく存じます。何分時間がございません。誠にお手数をおかけ致します
が、あらためまして御参加可能な皆様には至急、別紙案内の通り正式の参加手続きを行って下さい
ますよう御願い申し上げます。最後ではありますが倍旧のご厚情を賜りたく、切にお願い申し上げます。
それでは御座敷列車あすか号の車内でお会いできますれば誠に幸いに存じます。

敬具
コミケットトレイン実行委員長 風呂本武典